タラゴン(エストラゴン)キク科ヨモギ属
南ヨーロッパ原産のフレンチタラゴンと、シベリア原産のロシアンタラゴンがある。多年生草本。
種小名をドラクンクルス(小さな竜)といい、ヘビなどにかまれた時の毒消しの意。
フランスではエストラゴンと呼ばれ、料理に欠かせない。ワインビネガーに浸し、ドレッシング、ピクルス、フレンチマスタードなどに。根には歯痛をやわらげる効果がある。体力の低下時に消化促進、食欲増進による強壮効果があることでも知られている。
オレガノ(ワイルドマジョラム)シソ科ハナハッカ属
ヨーロッパ、西アジア原産。多年生草本。
葉に樟脳のような強い芳香とほろ苦さをもつ。マジョラムと近縁で香味も似ているが、マジョラムより香りが強い。
オレガノという名はギリシャ語で山の喜びの意。山地に生え、香りが良いことに由来している。オレガノが地中海地方の山腹に産したのでこの名がつき、いつしか幸福のシンボルとなった。ギリシャでは婚礼の時、新郎新婦がオレガノの冠をつける。
イタリア料理やメキシコ料理などの肉料理やパスタ、ピッツァなど、特にトマトをを使った料理に良く合う。消化促進、殺菌作用、精神疲労回復。強壮、鎮静。血液浄化作用、筋肉のケイレン、生理不順の緩和などにも。
イタリアンパセリ セリ科オランダセリ属
他の野菜を圧倒するくらいの栄養量の多さを誇る。カリウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラル類と、ビタミンA、B、C、Eなどのビタミン類を多量に含む。
口臭を消したり、ストレスを解消したりする効能をもつ。
セージ(薬用サルビア)シソ科カキギリ属
ヨーロッパ南部原産。多年生草本。
葉の浸出液は、咽喉炎や胃腸炎、解熱などに効く。古代には調味料としてより薬として使われ、中世の英国の諺に「長生きしたい者は、5月にセージを食せ」とあるように、血液の循環を良くし、神経系の働きを助けるなど、多様な薬効が知られる。近年では血糖値の改善、更年期障害の治療などにも用いられている。
セージのお茶は、精神の疲れをとり、やる気と集中力を高める効果もあります。イライラするときや、気持ちがふさぎ込んでいるときにおすすめです。ホルモンの働きを助ける効果もあるので、整理不順や更年期障害の諸症状もやわらげます。消化を促進する効果も高いので、ガスがたまっておなかが張っているときなどにもおすすめです。ただし、妊娠中にはあまり飲みすぎないこと。
強壮、殺菌、頭痛、浄血作用。低血糖、肥満、うつ病、リウマチなどにも。
チャービル(セルフィーユ)セリ科シャク属
ロシア南部~アジア西部原産。二年生草本。
フランスでは民間薬として消化不良、風邪のときに利用される。1世紀頃、ローマの博物学者が調味料として紹介し、しゃっくりの治療薬としても記録している。カロテン、ビタミンC、鉄、マグネシウムなどを多く含む。発熱時の発汗作用を促したり、貧血を予防する成分を含んでいると言われる。
タイム シソ科イブキジャコウソウ属
地中海沿岸原産。草本性常緑小低木。
タイムは、聖母マリアと幼いキリストのベットの干し草に入れられていたという。
また、タイムはギリシャ語で「勇気」を意味し、男性に対して「タイムの香りがする」は、最高のほめ言葉だったと言います。
強力な殺菌作用と防腐作用、せき止め効果など。頭痛、神経痛、腹痛の緩和。去痰剤、消毒液、うがい薬として利用。抗菌作用にすぐれ、水虫にも効果的。抗アレルギー作用、疲労回復、貧血、低血圧、肩こり、花粉症、喉の痛みを改善。
マジョラム(スイートマジョラム)シソ科ハナハッカ属
地中海沿岸、アフリカ北部、アジア西南部原産。多年生草本。
香りはタイムやオレガノに似ているが、タイムより甘く、オレガノより香りが強い。いくぶんほろ苦さも感じられる。
古代ギリシャ、ローマでは幸福をもたらすハーブと考えられ、結婚するカップルの頭にマジョラムの花冠をのせて祝ったと言い伝えられます。
消化促進、防腐作用、鎮静作用。風邪、頭痛の緩和。生理不順、安眠効果。
ビタミンAを豊富に含む葉には麻酔作用があり、かむと頭痛が治まります。
バジル(バジリコ)シソ科メボウキ科
熱帯アジア、アフリカ原産。地中海沿岸地方で栽培。一年生草本。
パスタやピザなどに用いられることが多く、日本でもおなじみのハーブです。トマトとの相性が抜群で、イタリア料理には欠かせません。
バジルという名前は、ギリシャ語の「王様」という言葉に由来しています。この語源のせいもあり、バジルは「ハーブの王様」とも言われます。
腹痛、吐き気の鎮静効果。便秘解消、消化促進。偏頭痛、うつ病、更年期障害、アレルギー、不眠症を改善。
ベイリーフ(月桂樹、ローレル)クスノキ科ゲッケイジュ属
地中海沿岸原産。常緑高木。
ギリシャ神話には、太陽の神アポロンを嫌った美しい妖精ダフネが、ほかの神々によって月桂樹に変身させられたことを悲しんだ、アポロンの物語がある。アポロンは月桂樹の葉で作った冠をつけて、竪琴で恋の歌を奏でたという。古代ローマでは、月桂樹は栄光の象徴であり、雷鳴や稲妻から身を守ると考えられていた。
冷え症やリウマチ、関節炎にも効能があるとされる。発毛剤として用いることもあるという。香りの主成分であるシオネールには、抗炎作用、抗菌作用が知られている。
チャイブ(シブレット)ユリ科ネギ属
和名えぞねぎ。多年草。
本州北部、北海道、シベリアからヨーロッパに広く分布する。あさつきに似ているが、香りはあさつきよりも穏やかで刺激性のある、ねぎ臭が少ない。
ねぎの仲間特有の強い抗菌性をもつアリシンという成分を含むので、感染症の予防に効果的。血液凝固を弱め、動脈硬化を予防する効果もあると言われている。
食欲増進作用、貧血予防。ビタミンC、鉄分補給。消化促進作用。風邪、インフルエンザの緩和。
ディル セリ科イノンド属
地中海沿岸、アジア西部原産。一年生草本。
葉、茎、花、種子のいずれも香辛料として利用する。薬用植物として聖書に記されているほど歴史の古いハーブです。名前には「なだめる」「あやす」という意味があるそうです。
風邪の緩和、芳香作用、鎮静・鎮痙作用。利尿作用、腹痛の緩和、口臭作用、消化器官機能改善。母乳の出をよくする。ガスを出やすくする。しゃっくり、胃痛の緩和。
眠りを深くする効果があるので、ミルクティーにして、夜寝る前に飲むとよい。
レモンバーム(せいようやまはっか)シソ科セイヨウヤマハッカ属
ヨーロッパ南部原産。多年生草本。
葉に、レモンやミントに似たさわやかな香りをもつ。レモンのような酸味はない。
レモンバームの属名のメリッサ「ミツバチ」という意味のギリシャ語に由来します。このことからもわかるように、レモンバームは古くからミツバチと深い関わりがありました。花のミツが良質のハチミツになるとともに、レモンバームにもハチミツやローヤルゼリーのような高い強壮効果があると考えられたのです。
レモンバームのハーブティーには、神経の安静、消化促進、血圧降下などの作用があるとされている。また生の葉には、抗菌効果や痛みを和らげる作用があると言われている。
強壮作用、発汗作用、不眠症、うつ病、食欲不振、動悸、アレルギーなどにも。
レモングラス イネ科オガルカヤ属
インド南部~スリランカ原産。東南アジアなどで栽培。多年草草本。
すすきに似た葉は、こするとレモンの香りがする。
消化促進、食欲増進。腹痛、下痢の緩和。疲労回復、風邪やインフルエンザの症状改善。防腐作用や血圧降下作用も。
レモンバーベナ クマツヅラ科の木本
原産地は南アメリカ。落葉低木。
鎮静作用、消化不良、吐き気、不眠症の緩和。
ミント(はっか、めはりぐさ)シソ科ハッカ属
北半球の温帯原産。世界中で栽培。多年生草本。
クールミント(和種はっか)、ペパーミント(西洋はっか)、スペアミント(オランダはっか)の3種がよく使われる。
清涼感あふれる香り成分のメントールは、強力な鎮痛作用と殺菌効果がある。胃痛や胃けいれんなどを緩和し、また歯痛や口臭除去にも効果的といわれる。疲れた心を落ちつかせる効果もある。
ルッコラ(ロケット)アブラナ科エルカ属
南ヨーロッパから西アジアが原産だが、ヨーロッパ北部まで分布している一年草。ごまのような香りがする。
カロテン、ビタミンCに富む緑黄色野菜。カルシウムやビタミンKが特異的に多い。ビタミンB2、葉酸、パントテン酸、食物繊維などもたくさん含んでいる。利尿作用。消化促進。
ステビア キク科
南アメリカ原産。多年草。
砂糖の約200倍の甘味があります。低カロリーで水やアルコールに溶けやすく、耐熱性があることから、糖尿病患者の食事やダイエット食品の甘味に用いられます。
オリーブ モクセイ科
地中海沿岸原産。常緑高木。
葉ニ解熱作用、鎮静作用。
種、実ニ便秘の解消、胆汁分泌の促進。コレステロール値を下げる。
フェンネル(ういきょう)セリ科ウイキョウ属
地中海沿岸原産。多年生草本。
食欲増進、消化促進、健胃作用があるといわれている。便秘の解消、解毒、利尿作用、生理不順、関節痛の緩和、ダイエット効果。
クミン(ばきん)セリ科クミヌム属
トルキスタン原産。一年生草本。
食欲増進作用、健胃作用が有名。カレーが食欲増進するのは、クミンの芳香によるところが大きい。主成分のクミンアルデビドには、抗ウイルス性があるといわれている。
コリアンダー(ちゅうごくパセリ)セリ科コエンドロ属
地中海東部原産。一年生草本。
生草はシャンツァイ、コウサイ、エスニック料理ではパクチー、別名を中国パセリともいう。
濃度が高くなると悪臭となるコリアンドールという成分を含む。鎮痛・鎮静作用が知られているほか、神経疲労や食欲不振を軽減するといわれている。
ローズマリー シソ科マンネンロウ属
地中海沿岸原産。常緑低木。
ローズマリーは古代から薬用や香水に使われ、伝説や逸話が多く残るハーブです。
ハーブティーは心身の疲労を癒し、脳の働きを活性化して記憶力や集中力を高めます。血行を促進して血管を強くする作用があることから、「若返りのティー」ともいわれています。
浸出液(ハーブティー)は美容効果にすぐれた化粧水や入浴剤になります。
ハンガリーのエリザベート王妃はローズマリーを原料にした化粧水で若さを取り戻し、77歳のときにポーランド王に求婚されたという話は良く知られているそうです。
ローズマリーは海辺に生育する習性があり、夏に咲く小さな花がしずくのように見えることから、ラテン語のロスマリヌス(海のしずく)が名前の由来になったといわれます。
また葉の強い香りがいつまでも失せないことから、ヨーロッパでは「記憶」「思い出」の象徴として結婚式や弔慰、教会の行事の飾りに使われました。
結婚式の朝、ブライドメイトがシルクのリボンで束ねたローズマリーを「変わらぬ愛の証し」として花婿に届ける習慣があったとか、聖アグネスの日(1月21日)の前夜、ローズマリーの枝を枕の下に入れて寝ると、夢の中に未来の花婿が現れるなど、数々の逸話が残っています。
脳や体の機能の活性化。血液循環の促進、血管壁強化。血行促進による筋肉痛の緩和。強壮作用、コレステロール値を低下、肝臓の不調。関節炎、低血圧、頭痛、肥満、うつ病、肩こり、更年期障害、貧血を改善。